1. 容量制限に引っかかる
「2MBまで」「5MBまで」という制限に対し、スマートフォンで撮影した書類をPDFにすると 数ページで簡単に10MBを超えます。原因はPDFではなく、 中に入っている写真の解像度です。
直す順番を間違えない
よくある失敗が、PDFにしてから圧縮しようとすることです。 この順番だと、一度PDFに埋め込まれた画像をさらに圧縮することになり、 劣化が二重にかかって文字がにじみます。
正しい順番は画像を小さくしてからPDFにするです。 画像リサイズ・圧縮ツールで 長辺2000ピクセル程度に縮小してから 画像をPDFにまとめるツールに渡してください。 A4の書類なら、長辺2000ピクセルあれば印刷しても文字は読めます。
容量を直接指定したい場合は、リサイズツールで「1MB以下」のような目標値を指定できます。 ページ数が多いときは、1ページあたりの目標を (提出上限 ÷ ページ数)より少し小さめに取ると収まります。
それでも超える場合
- カラーである必要があるか確認する — 白黒の書類をカラーで撮ると無駄に大きくなります
- 余白を切る — 机や背景が大きく写っていると、その分だけ容量を使っています。 トリミングツールで書類の範囲だけにします
- 分割して提出できないか聞く — 提出先によっては複数回に分けられます
2. 写真が横倒しになる
自分の画面では正しい向きなのに、PDFにすると倒れる。あるいは相手の環境でだけ倒れている。 これは写真の「向き」の情報の扱いがソフトによって違うために起きます。
スマートフォンは、本体を傾けて撮っても画像データ自体は回転させず、 「この写真は右に90度回して表示する」という情報を別に持たせています。 この情報を読むソフトでは正しく表示され、読まないソフトでは倒れて見えます。 どちらが正しいというより、扱いが統一されていないのが実情です。
確実なのは、回転を画像そのものに反映させてしまうことです。 そうすれば向きの情報を読むかどうかに関係なく、どのソフトでも同じ向きになります。 画像をPDFにまとめるツールは この処理を自動で行うため、倒れたまま埋め込まれることがありません。
どのツールを使うにせよ、提出前にPDFを開いて目で見てください。 向きの問題は開けば一目で分かりますが、開かなければ絶対に気づけません。
3. 複数のファイルを1つにまとめたい
「一括で1ファイルにしてください」という指定はよくあります。 元が何かによって使うものが変わります。
| 元のファイル | 使うもの |
|---|---|
| 写真・スキャン画像が複数枚 | 画像をPDFにまとめるツール |
| PDFが複数ファイル | PDF結合・分割ツール |
| 画像とPDFが混在 | 先に画像をPDF化し、そのうえで結合する |
順番に気をつけてください。 ファイル名が「1, 2, 10, 11, 3」のような並びだと、 ソフトによっては 1 → 10 → 11 → 2 → 3 の順に並びます。 「01, 02, 03」と桁を揃えておくと事故が減ります。 結合したあとは、通しで開いてページ順を確認してください。
4. 押印を求められた
データで提出するのに押印が必要、という場面がまだあります。 印刷して押して、スキャンして送り返す方法は手間がかかるうえ、 スキャンし直すことで文字の品質が落ちます。
電子印鑑作成・PDF押印ツールを使うと、 名字や社名から印影を作ってPDFの好きな位置に直接押せます。 背景が透明になるので、下にある文字が隠れません。 実物の印鑑をスキャンした画像がある場合は、その白地を抜いて使うこともできます。
ただし提出先が電子印鑑を認めているかは事前に確認してください。 契約書など、実印や印鑑証明が求められる書類には使えません。 社内の申請書や取引先とのやり取りで「形式として押印欄を埋めてほしい」という用途が中心になります。
契約書を扱う場合、そのファイルをどこかにアップロードしていないかも 確認したほうがよいです。社外に出せない書類を無料のPDFサイトに上げるのは、 勤務先の規定に触れることがあります。判断の仕方は そのオンラインツール、ファイルを渡して大丈夫かにまとめています。
5. 必要なページだけ出したい
通帳やパンフレットの一部だけを提出したい、 あるいは個人情報が載っているページを外したいという場合です。
PDF結合・分割ツールで 必要なページだけを取り出したり、不要なページを削除したりできます。
ページを消しても、ページ内の情報を黒く塗っただけでは消えていません。 PDFの上に黒い四角を重ねる方法は、見た目が隠れているだけで、 下にある文字はデータとして残っています。コピーすれば読めますし、 ソフトによっては四角を動かせます。 本当に消したい情報がある場合は、該当箇所を画像として塗りつぶすか、 その部分を含むページごと削除してください。
画像の中の情報を確実に消すには モザイク・ぼかしツールの塗りつぶしを使います。 モザイクやぼかしは、弱いと復元される場合があるため、 口座番号や氏名のように確実に消したいものには塗りつぶしを選んでください。
スキャンの質を上げる
ここまでの5つとは別に、そもそも読みにくいPDFを出してしまう問題があります。 専用のスキャナがなくても、撮り方で大きく変わります。
- 真上から撮る。 斜めから撮ると台形にゆがみ、 端の文字が読みにくくなります。書類の真上にカメラを構えてください。
- 影を作らない。 自分の手やスマートフォンの影が書類に落ちると、 その部分だけ暗くなります。窓からの光を横から当てるとうまくいきます。
- 背景を無地にする。 木目の机や柄のあるマットの上だと、 書類の輪郭が分かりにくくなります。白い紙を下に敷くだけで見やすくなります。
- ピントを合わせてから撮る。 文字の部分を一度タップしてから撮影します。 撮ったあと拡大して、文字がにじんでいないか確認してください。
撮影後に余白が大きい場合は、トリミングツールで 書類の範囲だけを切り出すと、容量が減って見やすさも上がります。
パスワードをかけるべきか
「PDFにパスワードをかけて送ってください」という指定がある場合は従います。 指定がない場合は、基本的にかけないほうがよいです。
- 受け取った側が開けずに問い合わせが発生し、やり取りが増えます
- 同じメールでパスワードを送るなら、そもそも保護になっていません
- 相手のシステムがパスワード付きPDFを受け付けない場合があります
本当に秘密にすべき内容であれば、 パスワードよりもそもそも誰に送るか・どの経路で送るかを考えるほうが効果的です。
提出前の確認
- 開いて全ページを見る。 向き・順番・欠落・読みやすさを目で確認します
- 容量を見る。 指定の範囲に収まっているか
- ファイル名を確認する。 指定形式があればそれに従います
- 余計な情報が入っていないか見る。 消したはずの箇所、不要なページ、別件の書類の混入
特に1つ目を省略しないでください。ここまでに挙げた失敗のほとんどは、 提出前に一度開けば気づけるものです。
ファイル名で起きるトラブル
見落とされがちですが、ファイル名が原因で受け取ってもらえないことがあります。
- 日本語のファイル名が文字化けする。
相手の環境によっては
____.pdfのように潰れて届きます。 提出先の指定がなければ、英数字にしておくと確実です。 - 使えない記号が入っている。
\ / : * ? " < > |はファイル名に使えず、 アップロード時に弾かれます。日付の区切りに/を使わないでください。 - 名前が長すぎる。 システムによっては文字数の上限があります。簡潔にしてください。
指定がない場合、20260823_氏名_書類名.pdf のように
日付・氏名・内容の順にしておくと、受け取る側が整理しやすくなります。